弊社が行った全国の動物病院様に対する調査結果で、最も使われている予約システムは「電話」です。

上記は全国の予約病院に対し、アナログ的な予約(電話や直接次回を予約など)とWEB予約システムの導入割合を示したものです。

結果をみると、WEB予約の浸透がここ5~10年程度と歴史が浅い事・電話予約導入が手軽にできる事などから、まだまだ昔ながらの予約方法をとられている動物病院が多いです。

しかし新しく予約を導入される場合、WEBシステムを検討されるケースが圧倒的であるため、近いうちに逆転される可能性は高いです。

 

2023年に行ったアンケートでは、現在電話での予約を実施している動物病院の利用者から、電話予約に対する不満が多く寄せられました。

もし、現在電話予約を実施されているのであれば、変更を検討されている場合の材料として、具体的な不満点をお伝えします。

 

全国の電話予約状況

ちなみに実は全国のほとんどのエリアでは、すでにWEB予約の割合が高いです。

例えば、大阪府であれば64%がすでにWEB予約、京都府であれば同62%と多くのエリアで、予約はWEBという状況にすでになっています。

では、なぜ全国で見ると、まだ電話予約がWEB予約を上回っているかですが・・・

答えは、下の表にございます。

こちらは東京都の予約システム分類割合を示したものですが、

実は、全国の1割以上の動物病院が集まる東京エリアで圧倒的に電話予約が多いからです。

一つ前にお示しした大阪府データーの真逆の結果で、電話予約が過半数を超える64%と非常に高い割合で導入されています。

 

この結果を意外に思われる方が多いのではないでしょうか?

イメージ的に首都東京であれば、最新の予約システムが導入されていそうです。

なぜ、このような事態となっているかと言うと、導入の歴史に東京とその他の地域で違いがあります。

 

下のグラフは東京都の予約導入率を示したものです。

東京都では実に58%の病院で何らかの形で予約を実施されています。

動物病院での予約は、全国の導入率が約3割程度であり、地方では約2割程度の導入率です。したがって、東京は他地域に比べて2倍から3倍の割合で予約が浸透していると言えます。

調査には、軒先で運営されている病院も含まれているため、実稼働に絞ると、感覚的にはほぼ全ての病院で予約が行われている印象です。

 

東京では、来院手段の多くが自転車か徒歩であり、待合室も相対的に狭くなります。そのため、待つことに対する許容範囲が他地域に比べてかなり狭くなり、待たない方法として予約が必然的に存在します。

WEB予約など無い時代から予約の導入が浸透していたため、電話での予約手段しかなく、現在でもその状況が残っているのです。

(※全国的な傾向としては、コロナ禍を契機とする導入が増加しています)

 

電話予約のデメリット

この様に意外にまだまだ利用されている電話予約ですが、冒頭記載のように弊社が行ったアンケートでは驚くほど不満の声が噴出していました。

多く寄せられたご意見を紹介しますので、貴院に当てはまるかご覧ください。

電話がなかなか繋がらない(利用者)

電話予約に対して圧倒的に多く上がる不満点が、電話が繋がらない事です。

電話予約を導入されているほとんど全てのケースで、病院の電話と予約番号が同一です(※動物病院の場合)。

そのため、予約しようと思っても話し中であったり、何度か電話をするはめになってしまったという意見が多数寄せられています。

特に、電話で順番取りを行っている病院は要注意だと思われてください(※順番取りの性質上、予約開始時間に電話が集中します)。

 

裏を返すと、電話回線を別もしくは複数用意する事で多くの不満に対応できるともいえます。

お勧めはしませんが、電話予約を当分続けられる予定であれば、電話回線については検討の余地がありそうです。

 

電話をするまで空き日がわからない(利用者)

多くの病院で電話をしてみないと、いつが空いているか?そもそも空いている日があるか?もわかりません。

予定自体をスマホで管理されている方も増加しているため、電話をしながら予定を確認する事への負担は大きいようです。

 

病院によっては対策として、別途Googleカレンダーなどを表示して、視覚的に予約可能日を明示されているケースもございます。

予約できる時間が限られる(利用者)

アンケート結果で寄せられたご意見ですが、電話だと予約を取れる時間が限られてしまう事も不満要素の一つになるようです。

反対にWEB予約のメリットは、時と場所を選ばず24時間365日予約可能だという点です。

電車やバスなどの移動中や夜間にも予約操作が可能です。

電話で人と話すのが面倒(利用者)

アンケートは来院されている方を対象としているので、結果には反映されにくいですが、不要なやりとりは避けたいニーズもあります。

そのような方は別の選択肢(WEB予約ができる病院を選ぶなど)を探す可能性が高いため、導入する事で新たな顧客層が拡がる可能性もございます。

電話でのやりとりが負担(病院)

驚くことに、導入されている病院自体も電話でのやりとりを負担に感じているケースが多いです。

動物病院では専属の受付がいないケースも多々あり、電話のたびに業務を中断せざるを得ない事も多いようです。

(※先日伺った病院では、トリミングをされながら中断して、電話・予約対応を行われていました。)

 

また、予約受付後に電話で呼び出しをされたり、通話中などの行き違いで、1回の予約に対して数回の電話業務が発生する事も多いです。

定期的なシステムの見直しが必要です!

電話での予約を導入されている病院の多くで、下記のようなご意見を頂きます。

  • 「長年これでやってきているため慣れている」
  • 「新しい事の導入は患者さんが嫌がる」
  • 「患者さんが高齢者が多い」

本当に上記が患者さんの本音でしょうか?

わざわざ来院しているにも関わらず、「こんな予約にしてくれ!」と意見される方は極々少数だと思います。

先生ご自身が継続的に利用される施設で、気になる事を面と向かって伝えらているか考えてみてください。

相手との関係値などから、少々の不満であれば目を瞑る方が多いのではないでしょうか?

長く続けているから、変わらず飼い主さんが来ているからという理由は見直されても良いかもしれません。

 

今回、協力頂いた動物病院様では、本音を聞き出せたらという思いで、飼い主アンケートをWEBかつ匿名で実施致しました。

長く電話予約を実施されている病院や、コロナ禍で導入をされ満足度は高いと仰る病院もありましたが、

お伝えした通り、実際は全く違うものでした。

患者さんは別の場所ではWEB予約を使われており、スマホを自由に扱われていました。

患者さんの本音は聞けない or 不満に思われる方は来院していない可能性があります。

 

また、動物寿命の理由から、病院と比べて動物病院の顧客の回転周期は早いです。(※開業10年で患者層が入れ替わるなんて話も伺います。)

10年前に導入されたサービスだと、スタート時の患者さんはすでにいない可能性もあります。

患者さんとのズレを無くすため、こちらから定期的なシステムの見直しをお勧めいたします。(※匿名アンケートもお勧めです)

 

ワンタッチシリーズは人手不足・診察時間が読めない動物病院様でも使えきれるシステムを目指し開発しております。

ご検討の際に参考にしてください。